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大町雅美:紙製ソリッドモデル
大町雅美氏は、木製ソリッドが主流であった戦後期において、 厚紙とセルロイドを用いた「全可動・紙製ソリッドモデル」という独自の領域を切り拓いた製作者です。 本ページでは、その代表的な製作記事(1955年2月号・3月号)を中心に、 技法・資料・背景情報を体系的にまとめています。
大町氏の試みは、単なる代替素材としての紙加工ではなく、
縮尺・強度・可動範囲・造形再現性を両立させる実験的工芸であり、
現代のペーパークラフトとは異なる発想に基づいています。
なお、「紙製ソリッドモデル」という表現は、
本来ソリッドモデルが“木材などの固体素材を彫り出す模型”を指すため、
用語としては矛盾(パラドックス)を含みます。
しかし大町氏は、この概念的制約そのものを乗り越え、
“ソリッド的発想を紙で実現する”という独自の領域を切り拓きました。
掲載記事一覧
1955年(昭和30年)『世界の航空機』掲載記事より
* 1955年2月号:紙製ソリッド模型の作り方(1)
— 引込脚を含む主翼・エンジン部の製作
* 1955年3月号:紙製ソリッド模型の作り方(2)
— 胴体・尾翼の組立と仕上げ
概要と特徴
* 全紙製・1/50スケール・全可動構造という先駆的試み * 引込脚・補助翼・フラップなどの可動化を内部機構で実現 * 湿度・紙質・繊維方向への配慮など、独自の材料工学的視点 * 木製ソリッドとの差異ではなく、別種の技法体系として成立
大町氏は木工工具の扱いが不得手であったことを率直に述べつつ、 「工作不能の代替」ではなく、創造的な置換としての紙製法を提示しました。 この姿勢は、戦後の模型文化における貴重な多様性を示しています。
関連ページ
編集・注記
* 本ページは原文の尊重を基本としつつ、読解補助のため最小限の脚注・用語整理を行っています。
* 掲載画像は大町氏アルバム所蔵写真に基づき、整理の上公開しています。
* 書誌情報および引用範囲は適切に管理し、無断転記を行いません。
今後の追加予定
* 紙製技法の再現検証(現行素材との比較)
* 可動機構の図面再作図(高解像度化)