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ja:authors:omachi-masami:paper-solid:1955-02

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出来上がった“鍾馗”紙製全可動(大町氏のアルバムより)

当誌模型展に毎号優美なソリッド・モデル写真が掲載され、我々ファンの目を大いに楽しませて呉れますが、自分の机上にもこれらと同じものがあれば……とはファンの誰もが感ずる処でしょうが、残念ながら木工々作に自信のある一部の限られた人達にのみ与えられた楽しみで、一読者である小生もつい最近迄これらのソリッド写真を眺める他はありませんでした。材料を揃え工作こかかるとしても、削り方、組立を云々する前に木工具自体の取扱いに難を覚え、其の都度製作を断念してまいりましたが、子供の切紙細工よりヒントを得て始めたのがこれから述べる「紙製ソリッドモデル」であります。製作を始めて以来10数機と云う乏しい経験ではありますが、木工作に不得手なソリッドファンの為に厚顔とは思いますが敢てベンを手にした次第です。
扨、紙製となりますと第一の難所が機体曲線部の表現で、第二に湿度の関係で翼表面に変形を来す事などがあげられます。然しこれらの問題は時間を充分にかける事及び縮尺度を小さく取る事により解決され、又紙質の選択も注意が必要であります。反面木製ソリッドでは仲々手数を要する引込脚も紙製に於いては、内部のスペースを大いに利用して極く簡単に装着出来フラップ及び各舵面も可動容易であります。要点として最初は比較的直線で囲まれた機体を選びラッカーパテーを上手く利用する事です。
今回述べる「キー44」は延70時間費しましたが、図に依り解説致します。本態のスピンナー及車輪は木を用い、脚周辺は金属を使用した他は全紙製であります。


製作に当り必要な工具及び材料を詳細に記します。

工具

◎金切鋏(これは厚紙工作の為と脚部に必要です)◎ペンチ◎ヤットコ(先の細いもの)◎半丸ヤスリ(五本物程度)◎切出しナイフ◎キリ◎ピンセット◎洗濯ばさみ(数個)◎半田付道具◎ポンチ

材料

◎薄い真鍮板又はブリキ(少量)◎手編用ビニールチューブ(雑貨店店・小間物店に有)、◎前記チューブに挿入可能なる針全◎虫ピン◎ヘアービン(大小の種類がありますが、バネの強い小を用意する)◎伴瘡音(紙のもの)◎セメダイン◎ラッカーパテ(これが無いと紙製ソリッドの工作は困雅です。大きな塗料店に行けは少量でも分譲して呉れます)◎ラッカーサフェサー(塗料店に有)◎セルロイド(厚いもの及び薄いもの)◎透明プラスチック手長(風房用)◎最後に主材たる紙ですが、紙質の選択が完成機の優劣を左右すると云っても過言でない程重要で、厚さは0.5mm(煙草のケース3枚分の厚さ)程度のもので粘着力を有し表面の滑かなるもの、紙を手に持ち繊維の方向に注意し乍ら主翼前縁の心算で曲げ、滑に曲るものが良く画用紙などは駄日です。其の他煙草、キャラメル等のケースも利用します。以上大要を、述べましたが各項の図を参照の上御解釈下さい。 今回の「キー44」は、当誌No.35の7月号62貢にある図を2.08倍約50分の1とし、グラフ用紙上に脚部は特に詳細な図を引きます。

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「先ず「総分解図」を参照下さい。胴体もこの程度の分割で曲線は表現出来ますし、操縦席内部艤装も手を加えてやりますと面白いものです。工作ほどの個処から始めてもよいものの、脚より始めます。


(A)図を参照の上真鍮板又はブリキにて脚カバー、其の他を切抜き、半田にて接合致します。この場合の適温も大切ながら両面を丁寧に磨き小物は手早くやらぬと熱が伝り上手く付きません、この項での要点は(イ)の金具でこれを後述するスプリング(ヘアーピン)が挟み、脚を出した折無断で引込むのを防ぎます。巾は3mmが適当で長さは各自定めて下さい.尚にの金具は少々厚い真鍮板を用い穴はポンチで一撃し、出来た山をヤスリですればドリルがなくとも簡単にあきます。


(B)項として(B図参照)主翼工作に入ります。御覧下さればお判りでしょうが、グラフ上この図面に合わせ選択した紙より切抜き、脚口、補助翼、フラップもそれぞれ一切出しにて切抜きます。尚脚口は図面より少々小さめに切抜き内側を半丸ヤスリ掛て仕上、紙繊維がケバ立ちますから指先にセメダインを付けケバを押えます、蝶型フラップも同様ヤスリ仕上の後ケバはセメダインで押えます、尚フラップの切抜は其のまま利用します。次に桁を取付けますが翼上下板の厚さを考慮の上ボール紙等より切抜きます、配置図ほ(口)に示した如き程度で強度は充分です。この頃に於いての注意は翼上板を被せた折脚が完全に収納出来るかどうか留意して下さい。


(C)この項(C図参照)に於いては、A項にも製作した脚を、B項の主翼下板に装着致します。図は脚出しの折をを示しますが要点はA項の金具(イ)を挟む《この図の(ヘ)》(ハ)のヘアーピンにあります。脚を折畳んだ場合このヘアーピンが開き、一寸指先にて引出すと勢いよく飛び出します。尚脚を取付け前後の滑走で引込む様な場合はスプリング補強の意味で「ピン」を2~3本に増します。(口)は古い定規などのセルロイドを用いセメダインで充分接着致します。又(口)は前後にあるのが好ましいのですが、「キー44」の場合「キー43」と異り2°~3°ヒネッテ折畳むので(ニ)の押へでヘアーピンを充分固定致します。尚、「Me109」とか「スピット・フアイヤー」「彩雲」などの場合も同様で、一旦ヒネッて引込ませます。注意としては、翼上板を被せた後接着の取れた場合修理不可能ですから充分セメダインを塗付して下さい。


(D)図は脚収納時を示します。(スプリングの状態に注意して下さい)


(E)フラップの工作です。ビニールチューブを適宜に切り、その穴にピッタリに合う針金をコの字型に曲げ(イ)の如く作ります(口)は先の切抜いたものに(ハ)の部分にヤスリを掛け(ニ)の如き紙片でビニールチューブをセメダインで充分押えます。(へ)のビニールチューブは少しゆったりしたものを針金を通し後へのスライドを容易に致します。この針金とビニールチューブは今後の舵面可動に用いますから留意下さい。

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