Japanese Solid Model Archive は、日本の木製航空機ソリッドモデルに関する制作記録、作者資料、写真、解説を保存・公開するためのアーカイブです。
このアーカイブが重視しているのは、完成した模型だけではありません。 材料を選び、形を読み取り、削り、修正し、塗装し、組み立て、完成像へ近づけていく過程そのものを記録として残すことです。
ソリッドモデルは、完成品として見るだけでも魅力があります。 しかし、その本質は、完成までの過程にもあります。
図面や写真から航空機の形を読み取り、木材や人工木材を削り、仮合わせを行い、必要に応じて修正し、表面を整え、塗装し、最終的な姿へ近づけていく。 その過程には、作り手の観察、判断、技術、経験が表れています。
このアーカイブは、そのような制作過程を保存し、日本のソリッドモデル文化を多面的に考えるための基盤を作ることを目的としています。
このアーカイブでは、主に次のような資料を扱います。
これらは、単に模型を紹介するためのものではありません。 どのように形が作られ、どのように問題が発見され、どのように修正され、どのように完成へ向かったのかを読み取るための資料です。
このアーカイブには、性格の異なる複数の記録があります。
制作過程記録は、材料の準備から、成形、表面処理、塗装、マーキング、組立、完成に至るまでを追う記録です。
この種類の記録では、完成した模型だけでは見えにくい制作の流れを知ることができます。 特に、仮合わせ、修正、表面処理、細部工作などの段階には、作り手の判断がよく表れます。
改修記録は、一度完成していた模型を、再び見直し、修正し、再完成へ導く過程を示す記録です。
完成した模型であっても、時間の経過による劣化や、作り手自身の見方の変化によって、もう一度手を加えられることがあります。 そのような記録は、完成が必ずしも制作の終わりではないことを示しています。
大型機や複雑な機体では、制作過程が単純な時系列だけでは整理しにくい場合があります。
そのため、胴体、主翼、ナセル、エンジン、プロペラ、武装、塗装、最終組立など、部品や工程ごとに記録を整理する場合があります。 このような記録では、複数の部品がどのように作られ、最後に一つの完成像へ統合されていくのかを読むことができます。
読解ページは、原記録をもとに、制作過程の意味を整理するためのページです。
原記録は資料としての保存を重視します。 一方、読解ページでは、その記録から何が読み取れるのか、どのような判断が行われていたのか、形がどのように立ち上がっていったのかを考察します。
このアーカイブでは、できる限り 原記録 と 読解ページ を分けて保存します。
原記録ページ 元の掲示板投稿や制作記事の構造を、できるだけ資料として保存するページです。 写真、投稿本文、日付、記録番号などを重視します。
読解ページ 原記録をもとに、制作の意味、工程の流れ、判断の特徴を整理するページです。 制作過程を理解しやすくするために、編集者による説明や考察を加えます。
このように分けることで、資料としての保存性と、読者にとっての読みやすさを両立させることを目指しています。
現在、このアーカイブでは、次の制作記録・改修記録を公開しています。
福田和氏による、詳細な制作過程記録です。 材料、成形、表面処理、塗装、マーキング、最終組立、完成写真までをたどることができます。
福田和氏による、完成済み模型の大規模な改修記録です。 劣化した模型を再び開き、機首部やキャノピーを作り直し、塗装をやり直し、新たな完成へ導く過程を保存しています。
福田和氏による、大型多発機の部品別・工程別制作記録です。 材料取り、胴体内部、ナセル、カウリング、エンジン、プロペラ、爆弾、塗装、最終組立、完成までをたどることができます。
制作記録全体の一覧については、次の索引を参照してください。
このアーカイブでは、作品や制作記録だけでなく、作者に関する資料も保存します。
現在、特に重要な作者として、福田和氏、高見保市氏、大町雅美氏に関する資料を整理しています。
福田和氏は、完成作品だけでなく、制作過程を写真と文章で詳細に記録した作り手です。 このアーカイブでは、福田氏の制作記録を、保存資料としてだけでなく、ソリッドモデル制作における判断の記録としても重視しています。
高見保市氏は、戦後日本のソリッドモデル制作文化を知る上で重要な作り手です。 特に、1960年代の制作記事や技法の記録は、当時のソリッドモデル文化を理解するための貴重な資料です。
大町雅美氏は、戦後日本の航空機ソリッドモデル文化を考える上で重要な人物です。 雑誌記事や制作ノートなどを通して、当時の制作技法や考え方を伝える資料を残しています。
作者ページ全体の入口は、次を参照してください。
このアーカイブは、単に既存資料を並べたものではありません。
長年にわたるソリッドモデル制作文化への関心、作者との交流、預かった写真や資料、そして制作過程そのものを記録として残したいという考えから作成しています。
詳しい経緯については、次のページにまとめています。
このアーカイブに掲載されている航空機題材やマーキングの一部は、戦時期の歴史的文脈に属するものです。
ここでは、それらを縮尺模型制作に関する歴史的・資料的記録の一部として掲載しています。
このアーカイブの目的は、いかなる思想や軍事行動を支持することでもありません。 目的は、ソリッドモデル制作の技術、過程、判断、記録を保存し、研究することにあります。
初めて訪れた場合は、次の順に読むと全体を把握しやすくなります。
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